連載 「コペルニクス計画全貌解説」 第四回 
コペルニクスデータプラットフォームについて

コペルニクスのデータを配布する様々なデータプラットフォームについて紹介する

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  • EUはSentinel衛星の観測データのみ配布しているデータプラットフォームを複数運営している。
  • ユーザーは自分が必要とするデータを提供しているデータプラットフォームを見極め、使い分ける必要がある。
  • 初心者でもデータをダウンロードして、様々なデータ処理を行える様、Youtube上にチュートリアルなど数多く配信されている。

前回のコペルニクス大解剖では、欧州連合(EU)が運営する地球観測「コペルニクス(Copernicus)」では、Sentinelと呼ばれる新規衛星シリーズと、欧州宇宙機関やフランスやドイツといったEU加盟国が所有する観測衛星や民間が運営する商業用観測衛星のデータ、そして気象観測所や地上センサといった現場データの3つを融合し、6つの分野に分け、それぞれデータサービスとしてデータを配布していると説明しました。すなわちSentinel衛星データ+既存衛星データ+現場センサデータを組み合わせて精製したデータプロダクトを配布している訳です。

しかしユーザーによってはSentinel衛星の観測データだけ入手したい場合もあります。
そこでEUは、上述の6つのデータサービスとはまた別に、Sentinel衛星の観測データのみ配布しているデータプラットフォームを複数運営しています。厳密に言うとこれらのプラットフォームはEUの管理下ではなく、欧州宇宙機関ESA(European Space Agency)と欧州気象衛星機構EUMETSATの2つの機関がそれぞれ独自のサービスとして運営しています。

ESAが運営するデータプラットフォームは以下の2つ:
  • Copernicus Open Access Hub (Sentinel SciHub)
  • Copernicus Space Component Data Access(CSCDA)

EUMETSATが運営するデータプラットフォームは以下の2つとなっています:
  • EUMETCast
  • Copernicus Online Data Access(CODA)

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(欧州委員会資料より引用)

コペルニクスの6つのデータサービスはデータプロダクトの他、様々な指標や予報、シミュレーションモデルなども提供する「サービス」であるのに対し、ESAとEUMETSATが運営する合計4つのデータプラットフォームはSentinel衛星のデータのみ配布する形となっています。Sentinel衛星は1から6までがありますが、ESAとEUMETSATの各データプラットフォームでは入手できるSentinel衛星のデータが異なります。各データプラットフォームと入手できるSentinel衛星データをまとめたのが下記の表です。

運営者

データプラットフォーム名

入手可能なSentinel衛星データ

ESA

Copernicus Open Access Hub

Sentinel-1、2、3、5

ESA

Copernicus Space Component Data Access

Sentinel-1、2、3、5

EUMETSAT

EUMETCast

Sentinel-3、4、5、6

EUMETSAT

Copernicus Online Data Access

Sentinel-3、4、5、6

従ってユーザーは自分が必要とするデータを提供しているデータプラットフォームにアクセスする事で、異なるデータプラットフォームを使い分ける事になります。

4つの中でも最もポピュラーなのがESAが運営するCopernicus Open Access Hub、通称Sentinel Scihubです。ユーザー登録さえすれば世界中の誰でもオープンフリーでSentinel衛星のデータをダウンロードできる様になっています。更にAPIとグラフィック・ユーザー・インターフェース(GUI)を用いる事で初心者でも非常に分かりやすい使用環境となっており、チュートリアルといったサポート文献も充実しています。

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ユーザーは、自分が関心のあるエリアを指定する事で、そのエリアを撮影したSentinel衛星の観測データが表示される様になっています。

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ESAが運営するもう一つのデータプラットフォーム、Copernicus Space Component Data AccessはSentinel衛星以外の高解像度地球観測衛星のデータもオープンフリーで入手可能ですが、アクセスはEUの研究機関や公的機関、またはEUの研究プロジェクトに参加している機関のみに制限されています。

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ESAのSentinel Scihubと同等にポピュラーなのがEUMETSATが運営するデータプラットフォーム、EUMETCastです。こちらはSentinel衛星に加え、EUMETCASTが運用する気象衛星のデータもオープンフリーでダウンロードできる様になっています。更にマニュアルの配布やビデオチュートリアルも定期的に配信しており、サポート体制が充実しています。

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この様に、コペルニクスではSentinel衛星専用のデータプラットフォームを複数整備する事で、ユーザーのニーズに合わせたデータ配信を可能にしています。更にデータプラットフォームやYoutube上でビデオチュートリアルも数多く配信しており、全くの初心者でもデータをダウンロードして、様々なデータ処理を行える様になっています。宇宙ビッグデータのビジネスポテンシャルが益々注目されている昨今。これを機にSentinel衛星のデータに触れてみてはいかがでしょうか?

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