連載 「新たな打上げサービス『空中発射』」 第4回 
ロケットの種類

開拓される宇宙への新しい道

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 前回の記事において、航空機の種類によって、採用されるロケットの搭載方式に違いが現れることについて述べた。今回は、この空中発射システムでのロケットについて解説する。
 空中発射向けのロケットと言えば、当然ながら小型・軽量であることが望ましく、かつ人工衛星をペイロードとした搭載質量や容積が大きいものが望ましい。下図のように超音速機の上面に搭載するためのマイクロロケット(全備質量6.5ton)や、輸送機を使った空中投下のための中型~小型ロケット(全備質量45tonまたは15ton級に改良)を使用しての打上げ検討を行っている。2013年のJ-spacesystemsのシミュレーションにおいても、搭載質量(ペイロード)60~820kgの前提で高度250kmのLEO(低軌道)、500kmのSSO(太陽同期軌道)への投入が可能であることを導きだしている。

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 時は流れ、2019年7月に行われたヴァージン・オービット社の実験では、長さ21m、重さ15tonとも言われるランチャーワンというロケットが母船であるボーイング747から切り離す実験に成功している。同社は高度500km、搭載質量最大300kgの打上げを計画していることから母船とロケットの性能をさらに引き出そうとしているのが伺える。
 最後に、途中に紹介した輸送機を使った空中投下方式についてさらに詳細を解説する。これはロケットとパラシュートで構成されるプラットフォームを使う方式である。
 まず輸送機C-130の荷室からドローグ傘(抽出傘)を使って後部ハッチからプラットフォームを引き出し、メインシュート(主傘)を開いて緩い速度で落下させる。落下中にロケット姿勢が安定したところで主傘を切り離してロケットを点火するものである。

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 15ton 3段式の固体ロケットで高度7kmから投下し、高度6~4kmあたりで点火する。ロケットの追跡管制は、GPS衛星および商用通信衛星を利用して実施する。これにより、高度500kmLEOに220kg、高度500kmSSOに160kgの人工衛星の打上げを可能としている。
 この方式は、輸送機を特に改修することなく、荷室に応じたサイズでプラットフォームとロケットを設計すればよく、プラットフォームとロケット込みの質量は最大20tonとなっても許容可能である。

システム運用図.png

©J-spacesystems

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