連載 「新たな打上げサービス『空中発射』」 第3回 
空中発射の種類

開拓される宇宙への新しい道

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 前回から引き続き、空中発射のメリットについて早期に人工衛星を運用する前提で整理すると、

・射場の立地条件に左右されず射点の設定に自由度がある
・台風等の強風下をのぞく天候条件に左右されない
・搭載するロケットの小型化が可能

といったものが挙げられる。ベーシックとされる地上発射のための射場は、ロケットの噴射炎(プルーム)の影響により周辺設備の劣化が激しいため継続的なメンテナンスが必要であり、それらと比較すると空中発射の運用コストは安い。
 さらにロケット側コストに関しては、重力を振り切り、大気層を突破するための燃料や構造に関するシステムリソースが低減されるため、コストメリットが明白である。
 そういったメリットを重視すると、自ずと航空機に搭載できるサイズのロケットを検討し、小型・軽量化を主題としたロケットプロダクトが考え出されていく。
 これまでに国内で検討されたものでは、この実際に運用している航空機をベースに検討がなされている。大別すると輸送機、亜音速機、超音速機である。
 輸送機の場合、C-17、C-130といった搭載能力が高く大きく重いロケットでも輸送が可能であるが、速度は時速500-600kmであり、後述のボーイング747に比べて遅い。翼下部ではなく、機体荷室から後部を通っての投下方式になり、投下高度も他と比べて低くなる。
 亜音速機とはここでは、ボーイング747のような大型の旅客機を指し、マッハ0.855(時速1055km)で巡行が可能である。この機体を改造し下部または背部にロケットと分離装置を搭載しての打上げになる。連載初回から紹介しているヴァージン・オービット社の方式はまさにボーイング747-400改修型の下部にロケット(ランチャーワン)を搭載している。
 超音速機では、もはやF-4、F-15、F-18など戦闘機が運用の前提となるがロケット点火時の初速はマッハ1.5~2.0、上昇高度18~20kmを獲得できるものの、搭載能力は高いとはいいがたい。またロケットを搭載するための改造も必要のようだ。

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 今回は主に航空機による空中発射のメリットについて述べたが、外部環境にロケットを晒す方式は、ロケットの性能を引き出すための保温が必要になる他、商用のサービスを行うには母船となる航空機の入手をいかに低コストで行うかが課題であり、リースの容易性等も考慮する必要がある。
 次回はこの航空機にあわせたロケットの種類について紹介する。



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