気象衛星から日射量を予測。
太陽光発電の普及を促進

次世代エネルギーへのシフトを後押しする衛星データ。データがエネルギー問題の懸け橋に。

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記事のポイントを見る
  • 太陽光発電の需要が高まっている
  • 日本気象協会は日射量予測を行い、太陽光発電をバックアップ
  • サービスの開始以来、導入社数は大きく増加

再生可能エネルギーの社会に対する重要性は年々高まっている。近年では電力自由化などもある中で、電力会社以外の法人が大規模太陽光発電所を建設する事例も出てきた。再生可能エネルギーの中でも太陽光発電は設置もその他の方法と比較して身近であり比較的取り組みやすい一方、日射量という天候にも左右される要素があり発電量の予測が難しいとされてきた。投資に対する採算の審査が極めて重要になる中、太陽光発電量をあらかじめ把握できるサービスを提供している会社がある。蓄積された過去の気象データとリアルタイムの気象データで、日射量予測サービスを提供している日本気象協会の担当者にお話を伺った。

気象モデルによる予測は、最新の気象データを取り込んでから予測値を算出するまでに計算時間がかかる。また、気象モデルのメッシュサイズは5~20kmであることが多い。メッシュサイズとは、気象モデルの計算格子サイズのこと。気象モデルを用いた予測の場合、5~20kmより細かいエリアの日射量を正確に把握することは難しかった。これらを解決するため、高頻度・高解像度で観測可能な気象衛星を用いた日射量予測を開発し、そのサービスが開始された。

太陽光発電へ注目が高まる中、日の出の時間帯に対する日射量の予測も強化された。理由は二つある。ひとつめは、大手電力会社では火力や水力による発電量と、太陽光発電の発電量を調整するため、太陽光発電量に密接に関わる日射量を精緻に把握する必要があるからだ。もうひとつは、日中にピークがある電力需要を早い時間に確定したいからだ。そのため、日射量を精緻に予測する必要があった。従来は、気象衛星が観測した可視画像を用いて予測が行われていたが、夜間でも観測可能な赤外画像を使用することで早朝の予測も可能にした。太陽光発電の普及や自社による電力供給の機運の高まりも相まって、サービスの開始以来、導入社数は大きく増加しているという。

エネルギーマネジメントの考え方が広まるにつれ、複数のシステムや施設を連携して管理するVPP(バーチャルパワープラント)や消費エネルギー量を押さえながら太陽光による発電を行ってエネルギーの収支をプラスにするZEH(ゼッチ)という概念も企業や地域、住まいの在り方として一般化してきている。一般家庭に設置される低圧太陽光パネルの発電量予測に対しても、より細かいメッシュの衛星観測データを活用していく検討が始まっている。

また、発電した電力を販売するという形から、自社の設備で使用するという時代はもうすぐそこだ。発電量の評価として、ますます日射量予測が活用されると同社は考える。

新しい時代のエネルギー管理を足元から支えるサービスとして、気象衛星データを活用した日射量の予測はこれからもより暮らしに近い存在になっていくに違いない。

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