落雷予報を即時に届ける。
災害予防のインフラを構築。

突発的に発生し予想が難しい落雷。設備から人命に至るまで甚大な被害を及ぼす落雷を的確に予想できるシステム。

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  • 落雷を予想し人的物理的被害を防ぐシステム
  • 通信衛星を利用し観測した膨大なデータを配信
  • 社会インフラとして生活に根付いている

ピクニックやキャンプ、遊園地などのレジャーを楽しむ際や、スポーツの大会などを楽しむ際に気になるのは天気だ。雨が降っていては楽しめないものもあるだろうし、なにより雷が鳴っているときには、近くに落ちないかと不安になる。神奈川県相模原市に本社を構える株式会社フランクリン・ジャパンは、雷、気象情報を提供する専門の会社。落雷の情報などを衛星によるマルチキャスト配信方式を利用し素早く届けている。

フランクリン・ジャパンのサービスは実に我々に身近だ。来場者の安全を守るために屋外のレジャー施設で利用される場合もあれば、落雷による電圧の変化でラインへのダメージを回避しなければならないような工場や、電車の運行情報として落雷の事実確認が必要な鉄道など、インフラ関係の企業で利用されている。また、宇宙航空研究開発機構(JAXA)の種子島宇宙センターでも、同社の雷観測が利用されている。ロケットの発射の際に、近くで落雷の可能性がないかなど、天候監視のためだ。Yahoo! JAPANやテレビ放送局にも情報が提供され、私たちも落雷状況などを確認することができている。

雷の観測については、雷の電磁波を観測するセンサーを全国で31箇所設置し、日本中をカバーしている(2017年3月現在)。1つのセンサーで半径500〜600kmをカバーし、複数のセンサーで落雷の位置を正確に観測するという仕組みだ。こうして観測した雷の位置や時間などを計算し、その情報を配信するために衛星での通信を利用している。1991年に同社が創業した当時は、インターネット環境が現在のようには普及しておらず、地上で観測した大容量のデータをどのように配信するかが課題だった。その中で着目したのがJCSAT衛星による宇宙通信技術だった。

 ビジネスを成り立たせる上で難しかった点がいくつかある。ひとつは設備投資が高額だったことだ。このようなサービスは当社しか行っていなかったため、観測センサーのなどの高額な設備を独自で整備しなくてはいけなかった。また、前述のように、配信技術も課題となっていた。加えて、認知度の問題もあった。いまでこそ、当たり前のように受け取れる落雷情報だが、当時はサービス自体の認知度が低かった。そもそも落雷が予測できるなど、私たちの誰もが思わなかったのだ。そのため、ゼロから顧客の開拓を行う必要があったのだ。
 このような難しい局面を乗り越えることができたのは、「安全・安心な日々を過ごせるように」という想いからだ。最初はゴルフ場での潜在的なニーズに応えるというかたちからスタートし、徐々に屋外レジャー施設、工場などへも導入された。現在は600社ほどの全国の企業がこの雷情報システムを利用するまでに成長している。

フランクリン・ジャパンのサービスは落雷が発生したという事実の配信をするということを主なビジネスとして行っているが、これまでに培ってきた技術を生かし、現在では雷発生前の予測から今後の動きの予測までを行えるようになった。
当時まだ一般的ではなかった雷情報をいち早く普及させたフランクリン・ジャパンのサービスは、宇宙から情報を配信することで地上にいる私たちを守るかけがえのないインフラとなっている。

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